秀峰 SCHOOL REPORT SHUHO SCHOOL REPORT

本校理科教諭の研究論文がサイエンス誌に掲載されました。

11月7日、本校の理科 清水将太教諭が参加した国際研究プロジェクトによる昆虫の進化の研究成果が、国際科学雑誌『サイエンス(Science)』で発表されました。

英語タイトル 「Phylogenomics resolves the timing and pattern of insect evolution」
和文タイトル 「ゲノムデータによって明らかとなった昆虫の進化パターンと分岐時期」
著者名 Bernhard Misof(ドイツ、ボン大学)他100名(日本の著者は清水を含む10名)

本研究は、13の国と地域、43の研究機関の研究者101名が参加する国際研究プロジェクト「ワンカイト(1KITE)」によって成し遂げられました。清水教諭が前年度まで所属していた筑波大学菅平高原実験センターは、このプロジェクトの国際拠点の一つであり、プロジェクトメンバーのうち清水教諭を含む8名は、同センターの所属や出身です。

本研究では、さまざまな昆虫103種を用いて、約1500の遺伝子を詳細に調べました。そして、そのデータをもとに、各グループが出現した時代やグループ間の類縁関係などを明らかにしました。その結果、昆虫の起源は、これまで約4億年前といわれてきましたが、4億8千万年にさかのぼることが分かりました。新たに分かった昆虫の起源は、陸上植物の起源(約5億1千万年前)と近いです。昆虫は、陸上植物とともに陸上生態系をいち早く形成した開拓者であったということが考えられます。そして、翅(はね)をもつ昆虫は、約3億5千万年前に起源をもつといわれてきましたが、4億年以上前にさかのぼることがわかりました。昆虫は、どの生物よりもはるか昔から空を飛ぶ能力を身に付けたと考えられます。

昆虫は多細胞動物の中で最も種数が多いグループであり、その進化にはいまだ解明されていないことが山ほどあります。また、益虫や害虫などは私たち人間とは切っても切り離せない存在です。今後、このプロジェクトをより発展させていけば、昆虫の進化の実態解明のみならず、私たちの生活向上にも役立つと考えられます。

本校では、この成果を教育面で活用していきたいと考えています。
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